関数オブジェクトの実装にautoを使用するとエラーになる

Question

以下のコードで、main関数の c(); でエラーになります。
C::operator()() constをインラインにすると、エラーは消えます。
なぜ、エラーになるのでしょうか。

コンパイラ: MSVC

#ifndef SUB_H
#define SUB_H

class C {
public:
	auto operator()() const;
};

#endif

#include "sub.h"

auto C::operator()() const {
	return 0;
}

#include "sub.h"

int main() {
	C c;
	c();
}

Answer 1

C++ではソースコードはファイル単位でコンパイルされるため、あるソースファイルをプリプロセッサが展開した時点でそのファイルだけで全ての型が決定できる必要があります。
しかし、sub.hはmainのあるソースコードにプリプロセッサで展開すると

class C {
public:
    auto operator()() const;
};

int main() {
    C c;
    c();
}

となり、operator()の戻り値の型は決定できずエラーになります。
インラインにすると

class C {
public:
    auto operator()() const
    {
        return 0;
    }
};

int main() {
    C c;
    c();
}

ですからreturn 0 から 戻り値の型はintに決定できるのでコンパイルできます。
複数のソースに分かれている内容がくっつくのはそれぞれのコンパイルが終わってリンクをする段階なのでコンパイラは別のソースコードから型を決定できないのです。

Comments

[JADEN]

回答ありがとうございます。

メンバ関数の戻り値としては、あまり使用されない訳ですね。

[episteme]

戻り型が決まってりゃいいんだから
auto operator()() -> int const;
なら通りそう。

[episteme]

っと、コッチ↓が正解か。
auto operator()() const -> int;

[yumetodo]

それはC++14の関数の戻り値の型推定ではなくC++11の戻り値の型の後置記法では。

[JADEN]

>>epistemeさん
推論をしたいので、yumetodoさんの返信通りです。

[episteme]

でしたら関数の定義がないと(コンパイル単位内で定義が見つからないと)推論のしようがありませんですね。