<sys/time.h>や<sys/socket.h>はCやC++の標準ライブラリではなく、OSが勝手に用意したライブラリです。例えば、socket.hはBSD由来のライブラリであり、現在はPOSIX標準となっています。そのため、POSIXに準拠するOS(RHEL、CentOS、Ubuntu、Debian、macOS、FreeBSD、OpenBSD、Solaris、AIX等)にはsocket.hはありますが、準拠しないWindowには存在しません※。ですので、C/C++標準の情報のみを記載しているcppreference.comにはsocket.hの記載がないというわけです。
※Windowsの中でも、Linuxコンテナ環境であるWSLやラッパーとしてPOSIX環境であるCygwinはPOSIX準拠になるため、socket.hは存在します。しかし、MingGWのようなPOSIX似せた環境ぐらいではsocket.hはありません。
こういったOSが勝手に用意したライブラリについてですが、これらの公式となると、一体何が公式なのかというのがあります(そもそもcppreference.comは公式ではなく、公式なドキュメントはISO/IECの国際標準規格のみです。C++であれば、ISO/IEC 14882:2017(価格:198スイスフラン)が最新ですが、近々C++20が出るはずです。)。一つはOSが用意するドキュメント、一つが実装が用意するドキュメント、最後に標準化のドキュメントです。最初の「OSが用意するドキュメント」が最も楽なので、その方法を紹介します。
何も考えずにman socket
とだけ実行してください。下は(WSL上の)Ubuntuでの実行例です。
(環境によっては英語だったり、manページがないとなる場合があります。ubuntuであればapt install manpages-ja-dev
としてLANG=ja_JP.UTF-8にすれば表示されるはずです)
このようにPOSIXなOSについては、OSが用意する物はだいたいmanページがあります。また、OSのコアの一部ではなくても、OpenSSLと言ったPOSIX環境でよく使われるライブラリについても、同じようにmanページがついてきます。これでだいたい事が足りるはずです。
ブラウザで見たいというのであれば、日本語版だけでですが、JM Project (Japanese)を見るというのもあります。先程の画像のものをこのプロジェクトの物をそのまま使っているだけです。よほど変なディストリビューションでなければ、Linuxについてはこれで十分でしょう。
なお、WindowsはMicrosoft C/C++ ドキュメント | Microsoft Docslに全てのドキュメントがあり、Visual Studio IDE上からも参照できるようになっています。
バッドをするには、ログインかつ
こちらの条件を満たす必要があります。