環境変数はどこの空間にいるのですか

Question

タイムゾーンを変更するのに

TZ=New_York

とするとニューヨークに変更できると参考書にあるのですが、
これだとシェルのなかに環境変数がいるみたいにみえるのですが。

今までexportコマンドで環境変数に”投げる”というイメージでいたのですが、これだと
もともとシェルのなかに環境変数がいるみたいにみえるのですが・・

Answer 1

シェルによって違いますが、bash などの場合は、

TZ=New_York

とやった場合、他の

count=12

とやったときと同じようにシェルの中にある単なる変数です。export というのはシェル内の変数に「これは環境変数だぞ」というマークをつける作業です。

export TZ

とやると、TZ は環境変数としてマークされます。bash じゃなくて bsh とかの場合は、変数への代入と export は別にやる、すなわち、

TZ=New_York
export TZ

必要がありましたが、bash では

export TZ=New_York

と一行に書けるようになりました。が、やっていることは「変数への代入」と「環境変数としてのマーク」の二つの別々のことです。

で、環境変数とは何か、ということですが、それはプロセスに対して与えられる変数なわけです。で、特にシェルから起動した場合、「環境変数としてマークされたもの」は、そのプロセスに渡されるわけです。つまり、もし、TZ が export マークされていれば、そのシェルから起動したプロセスの中で TZ が定義された状態で使えるわけです。export されているかいないかは、そのシェル自体では特に意味を持ちません。そこから起動したプロセスから参照できるかどうか、という違いがあるだけです。
なお、シェルに定義されていない変数を環境変数としてプロセスに渡して起動する方法があります。

$ MY_DEBUG=true TZ=Tokyo mycommand
$ echo $MY_DEBUG # <= (1)

と実行すると、mycommand で起動するプロセスの環境変数として MY_DEBUG が設定されますが、それを抜けた (1) の位置では MY_DEBUG は未定義値になります。

Comments

[RM_4]

毎回ご丁寧に教えてくださりありがとうございます

別々で作業していたのですね
なら、プログラムがシェルのなかにあるわけではないですね

[unau]

さきの例で言えば、`TZ` という環境変数によって動作が変わる、というのはシェルから起動される `mycommand` の中にそういう分岐処理が書いてあるからです。`mycommand` の中で明示的に `TZ` を参照する処理が書いていない限り（あるいは `mycommand` がさらに起動するプロセスや使っているライブラリで `TZ` を参照する処理が書いていない限り）、動作は変わりません。