自分が知る限りでは、FirefoxもChromeも、いわゆる『旧版に対するサポート期間』というのは明示していません。しかし、恐らくこれは、いわゆるバージョンというものに関する考え方自体が全く異なっているためだと思います。
その点については、下記のFirefoxの公式サイトの説明が参考になると思います。
高速リリースサイクルに関するよくある質問
なぜリリースサイクルを短縮するのですか?
Web ブラウザは、他のアプリケーションと異なり、Web という「生き物」を相手にしています。HTML5 や CSS3 など新たな標準技術が次々に考案され、ソーシャルメディアなどのトレンドも目まぐるしく変わっています。Web の進化するスピードが速くなっているので、これまでのように半年から 1 年周期のアップデートでは間に合わなくなっているのです。
新しいリリースサイクルはこれまでとどう違うのですか?
これまでは、予定していた多数の新機能と改良点が完成してから新しいメジャーアップデートを発表していました。文字通り大型のアップデートとして大きな話題となる一方で、すべての機能が完成するまでに長い時間がかかっていました。また、セキュリティ修正を含むマイナーアップデートの公開が不定期で分かりづらいという指摘もありました。
こうした状況を改善するため、Firefox 5 以降は、より迅速かつ定期的に、新機能や高速化、セキュリティ・安定性の改善を盛り込んだ新バージョンを公開していきます。
ポイントは以下の2点だと思います。
0. Web の進化するスピードが速くなっており従来のアップデートでは間に合わなくなっている
0. メジャーアップデートとマイナーアップデートという概念
従来のInternet ExplorerでいうところのVer.10とVer.11というのは、いわゆるメジャーアップデートであり、多数の新機能と改良点を含むバージョンの違いです。こうしたリリースサイクルの製品の場合、旧バージョンと新バージョン(メジャーバージョンの異なる製品)が共存することになり、
- 旧バージョンはセキュリティパッチの提供といった最低限のサポートは一定期間続ける
- 新バージョンはセキュリティパッチの提供と共にバグフィックスといった積極的な更新を行う
という運用となり、『旧バージョンに対するサポート期間』が当たり前の概念でした。
しかし、少なくともFireFoxの場合、従来のようなリリースサイクルは「Webの進化」と「セキュリティ対応」の観点からもはや現実的ではないとの判断し、もはや半年から 1 年周期のメジャーバージョンアップは止めるという方針です。
言い換えるとFirefoxの場合、メジャーバージョンは常に最新のバージョンがただ一つのみ存在するということであり、その唯一のバージョンを常に全力でサポートし続けるというリリース戦略を取っているということです。
このような高速リリースサイクルにおいては、もはや『旧バージョンに対するサポート期間』という概念自体が存在し得ません。だからどこを見ても言及がないのだと思います。
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