レンズの歪み補正について

Question

前提・実現したいこと

流量計測実験(簡易図)において画像処理(OpenCV)を用いて精度向上を実現したいです。
そこでカメラのレンズ歪みを補正し、測定誤差を小さくしようとしています。
レンズの歪み補正はチェスボードを用いたカメラキャリブレーションを行おうと考えています。

質問したいこと

キャリブレーションによってカメラの内部パラメータを求めますが、その際実験装置との撮影距離と同じだけ間隔をあけて補正を行った方が良いのでしょうか。
また、内部パラメータが分かっていれば撮影距離に関係なく全ての画像を補正することは可能なのでしょうか。

画像処理を学び始めて日が浅く、初歩的な質問ですがご解答よろしくお願いします。

Answer 1

キャリブレーションによってカメラの内部パラメータを求めますが、

その際実験装置との撮影距離と同じだけ間隔をあけて補正を行った方が良いのでしょうか。

この方法でも良いかと思いますが、

1. 認識問題: あまり遠いとキャリブレーションの関数がキャリブレーションボードを認識してくれない
2. 認識問題: 近すぎるとキャリブレーションに必要なマス（もしくは円）を認識してくれない
3. 汎用性問題: 仮に写真中の中央付近だけでキャリブレーションをした場合、レンズ全体をカバーしきれない

といった問題が起きえます。

ですので、以下の二点に気を付ければ良いのではないでしょうか。

• なるべく全体をまんべんなく
• キャリブレーションボードが認識できる距離の範囲で

内部パラメータが分かっていれば撮影距離に関係なく全ての画像を補正することは可能なのでしょうか。

パラメータには距離情報はありませんので、可能です、が答えになります。
レンズによってひずんだものを数値的に戻す操作になりますので、距離よりもレンズのどのあたりに映ったかが重要になります。あまり特殊なレンズであったり、キャリブレーションが不十分だと不自然なひずみが残るかもしれません。用途次第ではありますが、こういう時は画像の端は切り捨てた方が良いと思います。

Comments

[sugar1234]

わかりやすい回答ありがとうございます。パラメータに距離情報は含まれないのですね、撮影距離を変えて校正を行なっている記事があったので勘違いをしていました。レンズ全体をまんべんなく撮影し補正を行おうと思います。ありがとうございます。

Answer 2

校正用のボードを撮影する距離と，実際の計測時の撮影対象の距離とは無関係です．

校正時のボードの距離について言えば，無意味に遠い距離を撮影する必要はありません．
（遠すぎるとカメラから見たボードが占める立体角が小さくなるので，結果として
ボードの特徴点の並びから歪の影響を読み取れなくなります．それでは歪補正の役に立ちませんし，
むしろ特徴点の測定誤差が校正計算に悪影響を与える可能性も考えられます．）
例えば，パターンの大きさがカメラ画像の横幅の半分～1/3くらいの大きさに写るくらいの距離とかでよいです．

撮影のコツとしては，他の方も回答されていますが，
複数枚の撮影画像を総計して見た際に，視野全体にまんべんなく特徴点が分布するようにすることです．
（パターン認識処理の性能次第になるでしょうが）可能な限り特徴点が画像の縁や隅のぎりぎりにまで存在するような絵を含めると良いです．
また，分布が偏らないようにすることも重要です．
「ボードを左側に見た絵を撮影したら，丁度反対の右側の絵も撮影する」というように，ペアにして撮影していくようにすると偏りにくくなります．

認識処理がうまくいかない絵が出てくるような場合を想定して，パターン撮影時には気持ち多めに撮影を行っておくと良いです．

Comments

[sugar1234]

わかりやすい回答ありがとうございます。撮影する際の具体的な距離をつかむ事が出来ました。撮影枚数を増やして精度を上げていこうと思います。ありがとうございました。