記号の定義の仕方によって話が変わってしまいますが、お話から類推するに「RBFカーネルを基にしたソフトマージンSVM」のことだと判断し、それを前提に説明させていただきます。(間違っていたら申し訳ありません。)
お話から察するに、cost パラメータはソフトマージンに対応するパラメータ、RBFカーネルパラメータは指数関数 exp の中のノルムのスケーリングをするパラメータだと思うのですが、これらはそれぞれで異なる働きをします。
まず、cost パラメータは「どのぐらいのソフトマージンを許容するか」に対応するパラメータです。"ソフトマージン無し"SVMはデータを完全に判別するように各群の境界線を定めますが、これはデータへの過適合となり汎化能力が落ちてしまいます。特に複雑な非線形構造を捉えるSVMでは、データに当てはめる非線形構造が複雑になるほど汎化能力が下がってしまいます。そこで、少しだけ判別境界を「ソフト」にする(一部のデータについては誤判別を許容する)ことで、データへの過適合を避け、汎化能力を高めています。
一方、RBFカーネルパラメータはその名前の通りカーネル関数のパラメータです。そもそもこのカーネル関数は2つのデータを「何らか」の非線形関数で変換した上で内積を計算した値を示しています(どんな非線形関数かは一般には未知のままにします)。ゆえに、カーネル関数のパラメータは対応する(未知の)非線形関数を調整するものになります。SVMなどの「カーネル手法」は、何らかの非線形関数による変換によって複雑な構造を持つデータをシンプルにし、分析しやすくすることをしているのですが、このRBFカーネルの関数はこの非線形関数を定めるものだと見なすことができます。
すなわち、RBFカーネルのパラメータはデータの複雑(非線形)構造を捉えるものであり、cost パラメータは判別ルールの汎用性を調整させるためのものです。
これらの値が(一見)トレードオフの関係になるのは、(最適なパラメータ値の探索をしているという前提で考えれば)ソフトマージンを許容すればデータに複雑すぎる構造を当てはめても汎化能力はある程度確保でき、一方、ソフトマージンを小さくするとシンプルな構造をデータに当てはめた方が汎化能力が高くなる、という傾向があるからだと思います。
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