各分野にいろいろなツールがあり、それらの「組み合わせ」というとかなりの数になります。
そして、どれを選ぶかは、結局は各プロジェクトの細かな事情や使用者の好みの問題なので、客観的にオススメを選ぶのは結構難しいです。
とはいえ、人気のあるツール類は、広く採用されているからにはそれなりの理由があるはずなので、知っている範囲で少しご紹介致します。
- サーバー
- バージョン管理
- チケット管理
- グループチャット
- CI
###1. サーバーについて
事情が許すならクラウドの活用をオススメします。
その点で、現在既に AWS をご活用されているとのことですので、そのまま継続されると良いです。
クラウド環境の最大のメリットは、プロジェクトの状況に応じて小まめにスケールできるのでコスト面で有利です。
クラウド活用はオンプレミス環境での開発と異なり独特のノウハウを必要とするようですので、どうぞノウハウの蓄積を継続してください。
###2. バージョン管理について
バージョン管理ツールにもいろいろありますが、いまや Git がデファクトスタンダードとも言える状況になっています。既にGitを活用されているとのことですので、このまま継続されることをオススメします。
日本語のファイル名が文字化けしたり、当初はWindowsとの親和性が低かったりしましたが、バージョン管理ツールで特に重要な 高速なマージ処理 と 柔軟な運用が可能 という点が際立っていると思います。
Gitも使いこなしにある程度のスキルが必要ですので、ぜひこのまま継続してください。
###3. チケット管理
こちらについては、「Redmine」をオススメします。
特徴を解説した こちら のページもご参照ください。
複数人でのタスク管理と進捗管理の情報共有がオンラインで簡便に行えます。
小規模なプロジェクトなら Trello も悪くないと思いますが、どちらかというとタスクカードを並べ替えることで、アイディアを練ったり優先順位を検討したりする用途に向いているのかなぁ?という印象です。
###4.グループチャット
メール中心のコミュニケーションだと、どうしてもタイムラグや連携漏れが発生するので、引き続き chatwork をご使用になられると良いと思います。
Slack も良いサービスですので、必要であればどうぞ活用してください。
ただし、タスク管理機能があるとはいえ、タスク管理は進捗管理と合わせて先述の Redmine で一元管理した方が良いと考えます。
###5.CI(継続的インテグレーション)
自分は CircleCI を全く知らないので比較できる立場にないのですが、個人的には「Jenkins」をオススメします。
ただ、この点については賛否両論あるので、以下の解説を比較しながら読んてみてください。
Jenkinsがやっぱりなんだかんだで最強のCIツール
- どんなスクリプトも実行できる非常に高い汎用性
- どんなタイミングでもスクリプトを実行できる幅広いトリガー
- 非常にたくさんのプラグイン、及びそれを産み出すコミュニティ
Jenkinsと完全にサヨナラして、CircleCIに移行した話
- 複数プロジェクトで共有して利用するのがツライ
- 運用するのがかなりツライ
- 属人的になりやすいJenkins職人
###6.リリースツールについて
いまやシステムは非常に複雑化し、要件の変化に応じてシステム構成も変わってくる時代なので、アプリのソースだけを管理する方法では対応し切れない場合も少なくありません。
ですから、「ソフトウェア構成管理」と言いますが、ソースのみではなくシステムの構成も含めてバージョン管理する必要があります。
ですから、Chef はとても有力な道具です。ただ、個人的には Ansible の方が気に入っています。(ご参考)
###7.設計〜テストに関連したツール
更に付け加えれば、上記のような開発環境がある程度形になったら次の段階として、設計プロセスの改善に取り組むことも出来ます。
いわゆる 詳細設計ツール として、たとえば Java を使った開発プロジェクトの場合には JUnit のようなツールを導入することで、『動く詳細設計書』とも言うべきテストクラスを作成します。そうすると、詳細設計の成果物であるテストクラスを、コーディング〜単体テスト〜リリース前の回帰テスト(CIプロセスに組み込む)にそのまま使用でき、少ない工数で大幅な品質改善を実現することが出来ます。
WebのUIテストも自動化したいのであれば Selenium というツールもあります。
しかし、テストの自動化は常に「設計とセット」で改善しないと自動化すること(手段)が目的になってしまって、コストの割に品質が改善されないという残念な結果になりますので、十分にご注意ください!
###8.ツール選定上の重要なポイント
最初に記載したとおり、各分野とも優れたツールがたくさんあります。これもひとえに、開発プロジェクトに共通の課題をなんとか解決しようと、諸先輩方が様々なアプローチで真剣に取り組んで来られた成果です。
ですから、どのツールもそれぞれに特徴を持っており、いずれも捨てがたいです。
しかし、実際に運用するに際しては、個々のツールが優れているというだけでは十分ではありません。各ツールを いかに連携させて効率よく使用できるか がとても重要です。
先に触れたように、Redmineは「タスク管理」「進捗管理」「情報共有」を一貫して実施できます。また、プラグインが豊富でカスタマイズ性も高いので、Gitと連携させて運用できます。
また、Jenkinsもプラグインが豊富であり、Redmine、Gitとも容易に連携させることができます。
つまり、Redmine 〜 Git 〜 Jenkins の連携を中心に据えて開発プロセスに合ったシステムを構築すると、いわば 一つの複合ツール によって開発プロセス全体がシームレスに連携できるので、効率よく進める事ができます。
今やCI(継続的インテグレーション)から更に一歩進めて『継続的デリバリー』システムの構築を目指す時代なので、ツール間の連携はとても重要なポイントだと思います。
最後に、お役に立つかもしれない参考書を2つだけご紹介して終わります。
Redmine実践ガイド 理論と実践、事例で学ぶ新しいプロジェクトマネジメント
継続的デリバリー 信頼できるソフトウェアリリースのためのビルド・テスト・デプロイメントの自動化
バッドをするには、ログインかつ
こちらの条件を満たす必要があります。
2015/11/12 00:19