デフォルト引数を持つ仮想関数の不思議

Question

以下のコードで、仮想関数であるfは引数にデフォルト値が設定されています。
Aの派生クラスであるBを指すオブジェクトtestからfを呼び出せば、当然オーバーライドされたfが実行されます。
実行結果では2回ともBが出力され引数を指定した場合正しい返り値が返ってくるですが、問題はデフォルト引数のまま関数を呼び出した時にあります。
Bが実行されたのであればデフォルト引数はn=8となり、返り値は10となるはずです。しかし実行結果では、派生元であるAの仮想関数fのデフォルト引数n=5に2が加算された7が返ってきてしまいました。

なぜこのようなことが起きているのでしょうか。

#include <iostream>
#include <memory>

struct A {
	virtual int f(int n = 5) const { std::cout << "A"; return n; }
};

struct B : A {
	int f(int n = 8) const override { std::cout << "B"; return n + 2; }
};

int main() {
	std::unique_ptr<A> test(new B());

	std::cout << test->f(1) << test->f() << std::endl;	// output:B3B7
}

Answer 1

デフォルト引数が関数宣言の機能だからです。

B3B5を期待するのなら

struct A {
    virtual int f(int n) const { std::cout << "A"; return n; }
    virtual int f() const { return f(5); }
};

struct B : A {
    int f(int n) const override { std::cout << "B"; return n + 2; }
    int f() const override { return f(3); }
};

Comments

[asobinin]

宣言は静的に、実行は動的に行われる為このような差異があるのですね。