具体的なVPSがわからないため推測になりますが、処理速度とネットワーク速度の違いでしょう。なお、並列処理などは行っていないと言う前提で話をします。
net/httpとTyphoeusに速度の違いが出る理由はわかっていますよね。質問者以外でわかっていない人がいると思いますので一応説明して起きます。Typhoeusはlibcurlのラッパーです。Typhoeusではlibcurl側でHTTP通信の処理を全て行っています。あるページを読み取る、たとえば https://teratal.com/ をGETするという場合、
- HTTPリクエストの作成
- TCP接続(TCPハンドシェイク)
- SSL/TLS接続(SSL/TLSハンドシェイクおよび証明書検証)
- 1.で作ったリクエストを渡す
- レスポンスを受け取る
- レスポンスの解析(各ヘッダの読み取りやbodyの分離など)
といった処理を行います。Typhoeusではこれらの処理を全てlibcurlに委任しています。しかしnet/httpは2.のTCP接続やSSL/TLS接続だけsocketライブラリやopensslライブラリに委任し、それ以外はRubyのプログラムとしてnet/http上で行っています。libcurlはCで書かれているため高速です。socketライブラリやopensslライブラリもCで書いているため高速です。しかし、net/httpのRubyとして書かれた部分はそれらに比べて低速です。1.や6.の処理は単なるテキスト処理と言ってもコンマ秒以下の世界ではCとRubyでは無視できない速度差が出ます。それが、net/httpとTyphoeusの速度の違いに出てきます。
この速度の違いはサーバーの処理速度に依存しています。高速なCPU環境では速度差は小さく、低速なCPU環境では速度差が大きくなると言うことです。A VPSでは0.8秒差、B VPSでは0.16秒差になるのはそれぞれのスペックの違いと言うことでしょう(単純に周波数やコア数に依存するわけではありません。CPUのキャッシュや仮想環境の設定等にもよります)。
もう一つサーバーによって違いが出る場合があります。それは4.と5.にかかる必要な時間です。これはサーバーの処理速度では無く、ネットワーク帯域やサーバー間の距離(応答時間)等によって決まってきます。A VPSとB VPSでTyphoeusは0.03秒違いがありますが、もし、処理時間が無視できるほど小さい場合はこの0.03秒がパケットをやり取りするのに必要な時間の差と言えます。A VPSの方がネットワーク的に遅いか遠いため、遅くなったと言うことです。そして、この速度差はライブラリに依存せずに、サーバー固有になります。(ネットワーク帯域はサーバー自体の帯域だけでは無く、サーバー同士の間にあるネットワーク網全体の帯域によって決まります。その他、サーバーの集約数などどれだけの帯域をどれぐらいのサーバーで分け合うかなども重要になってきます。)
以上を踏まえて、A VPSとB VPSでは処理時間が2倍違う仮定すると次のような時間であったと推測されます。
処理内容 | A net/http | A Typhoeus | B net/http | B Typhoeus |
---|
ライブラリ全体の処理時間 | 0.09 | 0.01 | 0.18 | 0.02 |
ネットワーク通信時間 | 0.06 | 0.06 | 0.02 | 0.02 |
合計時間 | 0.15 | 0.07 | 0.20 | 0.04 |
※ より細かい処理を考えれば、単純にこのようになっているとは限りません。
よって、ライブラリによってA VPSの方が速かったり、B VPSの方が速かったりしても不思議ではありません。接続先のサーバーが違ったり、並列処理などをした場合はまた違ってきますので、ご注意ください。
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2019/03/16 13:19