GetDC が返すウィンドウに関連付けられたデバイスコンテキストには共通、クラス、プライベートの 3 種類があります。それぞれ何が返されるかは RegisterClass(Ex) で渡すクラススタイルの設定によって決まります。
CS_CLASSDC ・・・クラス
CS_OWNDC・・・プライベート
CS_PARENTDC・・・親ウィンドウの設定による
未指定・・・共通
このうち、WM_SETFONT で設定されたフォントがそのまま帰ってくる可能性があるのはクラスとプライベートのもの(ただし、これは以前のフォント設定が維持されるだけであり WM_SETFONT で指定したフォントとは限らない)だけであり、他のスタイルが指定されている場合、GetDC で取得したデバイスコンテキストにはフォントは未設定のままとなります。エディットボックス等の標準コントロールは CS_PARENTDC が指定されているため、GetDC で取得したデバイスコンテキストにはテキストボックスに WM_SETFONT で指定されたフォントが設定されません。
~~さらに別プロセスに関する問題もあり、フォントのハンドルを取得できたとしても別プロセスからはフォントの名前を取得することができません。そのため他のアプリで使用中のフォント名を調べるにはグローバルフックで WM_SETFONT メッセージを監視するか、 DLL インジェクション等の手法で該当プロセス内に処理を送り込み WM_GETFONT を直接対象のウィンドウに SendMessage してフォントを取得するかぐらいの方法しかとることはできません。
~~
同一プロセス内であればフォントハンドルからフォント名を取得するのには GetObject(https://docs.microsoft.com/en-us/windows/desktop/api/wingdi/nf-wingdi-getobject)が使用できます。非常に残念ですが、別プロセスでは動作しません。
思い込みはよくありませんね。他プロセスのコントロールでも WM_GETFONT でフォントハンドルを取得し、GetObject(https://docs.microsoft.com/en-us/windows/desktop/api/wingdi/nf-wingdi-getobject)でフォント名を取得することができました。
C++
1void test(HWND hWnd) {
2 HWND hnotepad;//メモ帳のハンドル保存用
3 HWND hedit;//メモ帳のエディットボックスのハンドル保存用
4 hnotepad = FindWindow(TEXT("notepad"), NULL);
5 if (hnotepad == NULL) {
6 MessageBox(hWnd, TEXT("Windowsのメモ帳は起動していません"), TEXT("ウィンドウハンドル取得失敗"), MB_OK);
7 return;
8 }
9
10 hedit = FindWindowEx(hnotepad, NULL, TEXT("EDIT"), NULL);
11
12 HANDLE h = (HANDLE)SendMessage(hedit, WM_GETFONT, 0, 0);
13 LOGFONT lf;
14 GetObject(h, sizeof(lf), &lf);
15 MessageBox(hWnd, lf.lfFaceName, TEXT("フォント名"), MB_OK);
16}
Windows 10 64ビット環境で上記コードが動作しました。普通に使えそうな気はしますね。
追加でいろいろ調査してみましたが、このフォントオブジェクトは元のプロセス(メモ帳)と関連づけられているような動作になっていますね。描画には使用可能(SelectObjectできる)でしたが、削除には失敗(DeleteObjectは失敗)しました。