TMPでの型修飾付与とその表示について

Question

C++テンプレートテクニック第2版のメタ関数で型を操作する部分の実行結果をmodern effective C++項目4の型情報の表示法を使い
結果表示を行っていますがconstを先につけるか、lrefを先につけるかで
結果が変わります。
コンパイラはMinGW
-std=c++14にてコンパイルしています。

//表示用クラス
template <class T>
class TD;

//constの付与
template <class T>
struct m_add_const{
    typedef const T type;
};
//lrefの付与
template <class T>
struct m_add_lref{
    typedef T& type;
};
template <class T>
struct m_add_lref<T&>{
    typedef T& type;
};
//const + lrefの付与
template <class T>
struct m_add_const_lref{
    typedef typename m_add_lref<typename m_add_const<T>::type>::type type; 
};

int main(){
    m_add_const_lref<int>::type n;
    TD<decltype(n)> test;
}
//表示結果(問題なく表示)
//　aggregate 'TD<const int&> test' has....

//const + lrefの付与
//lrefとconstの順番を変更
template <class T>
struct m_add_const_lref{
    typedef typename m_add_const<typename m_add_lref<T>::type>::type type; 
};
//表示結果
// aggregate  'TD<int&> test' has...
//constが付与されない

さらにテンプレートに渡す型を参照に変更し
m_add_const_lref<int&>::type n = a;
とするとintを渡した場合でうまくいく方の方法でもint&と表示されconstが付与されません。

原因等思いあたる方いらっしゃいましたら、ご回答をお願いいたします。

Answer 1

yohhoy さんの補足です

通常、int & constと直接書くとコンパイルエラーになりますが、typedef、decltypeまたはusing指定子を使用して間接的に導入された場合には、「int&(参照型)に対するconst修飾」は無視されます。また、typedef、decltypeまたはusingを使って参照への参照を作ろうとする際も、参照への参照は作ることができないため、結果的に普通の参照になります。

Comments

[yohhoy]

補足ありがとうございます。ちなみに意図としては decltype → using でしょうか？

[alphya]

yohhoy さん、コメントありがとうございます！

回答は、ドラフト規格の [dcl.ref]/1, 6 を簡単に翻訳したものなので、一応 decltype も意図しています 。
http://eel.is/c++draft/dcl.ref

ですが、[dcl.typedef]/2 に、 typedef の代わりに using を使ったときも意味は同じとあるので、回答に using も書き足しておきます！！
http://eel.is/c++draft/dcl.typedef#2

[yohhoy]

なるほど言われてみれば decltype(v1)& v2; みたいなパターンも、このルールの考慮対象ですね。

[alphya]

確かにそうですね！！
試しに、参照型の v1 に、decltype(v1) const してみたのですが、考慮対象のようでした！
https://wandbox.org/permlink/Pmyz8Jjg2ZIvLJNs

Answer 2

直接原因は「const修飾がどこにかかるか」が変化するためです。

typedef typename m_add_lref<typename m_add_const<T>::type>::type type;
// T型 → constなT型 → “constなT型”への参照型

typedef typename m_add_const<typename m_add_lref<T>::type>::type type; 
// T型 → T型への参照型 → constな“T型への参照型”

後者で登場する「参照型に対するconst修飾」では、const修飾は無視され単に参照型とみなされます。参照型自身は最初からconst相当、つまり参照先を後から変更することが出来ないためです。

おまけ：参照型の代わりにポインタ型で考えた場合、const T *型とT * const型は別の型として区別されます。

さらにテンプレートに渡す型を参照に変更し
m_add_const_lref<int&>::type n = a;
とするとintを渡した場合でうまくいく方の方法でもint&と表示されconstが付与されません。

前述の通り「int&(参照型)に対するconst修飾」は無視されて、結果int&とみなされます。