２次元空間の回転行列の回帰分析

Question

前提・実現したいこと

python3.6で座標系をキャリブレーションするコードを書きたいと考えています．
２次元空間上でベクトルAとベクトルBはノルムが等しく，角度θ回転したものです．
AからBに回転する行列は図の式で書き表すことができます．

AとBの角度は常に等しいですが，AとBはノルムも角度も変化するためこれらの時系列データから
ベクトルの内積と外積を計算して平均することで回転行列を作っています．

しかし，これではまだずれが大きいので回帰分析を行い角度θを算出したいと考えています．

試したこと

pythonのscipyのいくつかの関数を調べましたが，目的のものがありませんでした．
一つの式に対して重回帰分析すれば目標が達成できるのではとも考えましたが，どのようにすれば良いかわかりません．

どなたかご教授いただけませんでしょうか．

Answer 1

アフィン変換の場合、OpenCV に変換前の点群と変換後の点群を与えると、その対応関係を満たすアフィン変換行列を求める関数があります。
求めるには対応する点群が3点以上あればよいです。

サンプルコード

1. 3点及び変換行列を作成する。
2. 行列を適用し、3点を変換する。
3. 変換前と変換後の点群を cv2.getAffineTransform() に与えて、その対応関係を満たす点群を計算する。
4. OpenCV は画像処理ライブラリなので、返してくるアフィン変換行列は画像座標系 (左上) のものとなっている。なので、(2, 1) 成分と (1, 2) 成分を入れ替えて、標準座標系でのアフィン変換行列にする。
5. 原点回転ならアフィン変換行列の平行移動成分 (1, 3), (2, 3) はともに0なので、捨てる。
6. 以上の手順で最初に作成した変換行列を求められた。
7. 変換行列からスケール、角度を計算する。

import cv2
import numpy as np

def get_rotation_matrix_2d(angle, sx, sy):
    angle = np.deg2rad(angle)
    return np.array([[sx * np.cos(angle), -sx * np.sin(angle)],
                     [sy * np.sin(angle), sy * np.cos(angle)]],
                    dtype=np.float32)

# 行列を作成する。
mat1 = get_rotation_matrix_2d(angle=20, sx=1.2, sy=1.5)

# 点1
pts1 = np.array([[1, 1],
                 [2, 3],
                 [4, 3]], dtype=np.float32)

# 変換を適用する。
pts2 = np.dot(pts1, mat1)

# 2つの点の対応関係から変換行列を求める。
mat2 = cv2.getAffineTransform(pts1, pts2)

# 画像座標系 (左上原点) なので、標準座標系 (左下原点) の行列にする。
mat2[0, 1], mat2[1, 0] = mat2[1, 0], mat2[0, 1]
# 原点中心の回転なら平行移動はないので、3列目は0
mat2 = mat2[:, :2]

# 求めた行列が元の行列と一致するか
print(np.allclose(mat1, mat2))  # True

# 行列からスケール係数及び角度を計算する。
sx = np.sign(mat1[0, 0]) * np.sqrt(mat1[0, 0] ** 2 + mat1[0, 1] ** 2)
sy = np.sign(mat1[1, 1]) * np.sqrt(mat1[1, 0] ** 2 + mat1[1, 1] ** 2)
angle = np.rad2deg(np.arctan2(-mat1[0, 1], mat1[0, 0]))
print('sx: {:.2f}, sy: {:.2f}, angle: {:.2f}'.format(sx, sy, angle))
# sx: 1.20, sy: 1.50, angle: 20.00