スタックアロケータについて

Question

スタックアロケータの実装方法を調べていると、下記のようなコードを紹介しているサイトがありました。このコードを打ち込むと、確かにスタックアロケータとして機能したのですがBASE_ALIGNの働きがわかりません。BASE_ALIGNがどのような働きをするのか教えていただきたいです。

コードを紹介していたサイト
http://aaa568.blog76.fc2.com/blog-entry-31.html

該当のソースコード

使用している言語：c++

ソースコード
class StackAllocator
{
private:
char* m_pBuff;
char* m_pCurrent;
char* m_pEnd;

enum
{
BASE_ALIGN = 8,
};

public:
StackAllocator(void* pBuff, size_t buffSize)
: m_pBuff((char*)(((size_t)pBuff + (BASE_ALIGN - 1))&~(BASE_ALIGN)))
, m_pEnd((char*)pBuff + buffSize)
, m_pCurrent(m_pBuff)
{
}

void* Allocate(size_t size)
{
	size = (size + (BASE_ALIGN - 1)) & ~(BASE_ALIGN - 1);
	char* pBuff = m_pCurrent;
	char* pNext = pBuff + size;
	if (pNext <= m_pEnd)
	{
			m_pCurrent = pNext;
			return pBuff;
	}
	return NULL;
}
void* AlignedAlloc(size_t size, size_t align)
{
	size = (size + (BASE_ALIGN - 1)) & ~(BASE_ALIGN - 1);
	char* pBuff = (char*)(((size_t)m_pCurrent + (align - 1)) & ~(align - 1));
	char* pNext = pBuff + size;
	if (pNext <= m_pEnd)
	{
			m_pCurrent = pNext;
			return pBuff;
	}
	return NULL;
}
void Clear()
{
	m_pCurrent = m_pBuff;
}
void* GetMarker()
{
	return (void*)m_pCurrent;
}

void FreeToMarker(void* pMarker)
{
	m_pCurrent = (char*)pMarker;
}

};

Answer 1

確保するメモリのサイズを８バイト単位に切り上げるためのものですね。
これがないと異なるsizeで複数回アロケートした時にアドレスの境界が８バイトにならないので都合が悪くなります。
例えば処理系でdouble型が8byteだったとしたときに、以下のコードを書いたときに、ptrのアドレス境界が8byteにならない場合があると、プログラムは正常に動作しません。

#define N 32
double *ptr;
ptr = AlignedAlloc( N, sizeof(double) ); /* ptrの指すアドレスは8byteの倍数になっているはず */

Comments

[compass121]

なるほど、メモリは８バイト単位で確保しなければならなかったのですね。Allocate()とAlignedAlloc()内の論理積の意味はわかりました。
ただ、コンストラクタでm_pBuffに代入される値を算出する論理積の右辺が、(BASE_ALIGN-1)ではなく(BASE_ALIGN)となっているのはなぜでしょうか。

[TaroToyotomi]

作った本人じゃないので何とも言えませんが、コーディングミスの可能性があります。
:m_pBuff((char*)(((size_t)pBuff + (BASE_ALIGN - 1))&~(BASE_ALIGN - 1)))
が正しいと思います。
~BASE_ALIGN⇒0xFFFFFFF7は下位4bitのアドレスマスクとして機能していません。

[compass121]

丁寧でわかりやすい回答をして頂きありがとうございます。お陰様で理解することができました。