thisポインタのメリット、意味について

Question

thisポインタがメンバ関数を呼び出したオブジェクトのアドレスを取得するものであることは、教科書を読んで分かりました。しかし、これにいったい何のメリットや意味があるのか、今の私には分かりません。どなたか分かりやすく教えていただけないでしょうか？

Answer 1

class Foo {
public:
    int func(int x) {
        // ...
    }
};

なるクラスがあったとして、これを main の中で

int main() {
    Foo foo;
    int answer = foo.func(42);
}

と呼び出すとしましょう。呼び出し foo.func(42) に現れる foo も引数 42 と共にメソッド Foo::func() に暗黙的に渡されていることをまず理解するとよいです。

Foo::func の実装コードで暗黙的に渡された foo にアクセスする手段が this です。オブジェクトそのものではなく、ポインタで渡すのは C++ では普通の所作ですね。

Answer 2

thisがポインタなのはC++ぐらいなので、それを前提に回答します（違ったらお知らせください）。

本来、オブジェクト指向の言語でメンバ変数やメンバ関数にアクセスする場合、どのオブジェクトのものか特定しないと一意にアクセスできません。C++の場合は、暗黙にthisを前提としてアクセスしますので、コードに自分から書くことはあまりありませんが、見えない引数としては渡されています（MSDN）。

一方で、JavaScriptではthis.を明示しないとメンバを参照できないですし、PythonやPerlではselfもただの第1引数です。

Comments

[KeiM]

ありがとうございます。C++の質問であっています。タグ付け忘れしてしまいすみません。

やはり理解出来ないところがあるのですが、「thisポインタ」ではなく、「this」自体に何か意味があるのでしょうか？ロベールの本やインターネットで探したのですが、「thisポインタ」ばかりで、「this」そのものについて納得する答えはまだ見つけられておりません。

[KeiM]

「thisポインタ（this）」は自分の所属するオブジェクトを指すポインタのようですね。

[maisumakun]

疑問に感じていることは、「thisの果たす役割」なのか、「thisという名前の意味」なのか、それともまた違うものでしょうか。

[KeiM]

「this」とは、「std」と似たような認識でよろしいでしょうか？

[maisumakun]

いえ、ぜんぜん違います。

[KeiM]

前者の「thisの果たす役割」でした。今は、その点に関しては、分かった気がします。

[KeiM]

例えば、名前空間を、「std::x=1」と指定せずに、ただ「x=1」としても、事前に「using namespace std;」としておくと、stdの中に「x」が宣言されると理解しています。

本来、「オブジェクト.メンバ名」としなければいけない時に、ただ「メンバ名」とすると、「this.メンバ名」と自動的に解釈されると理解しました。もし、その理解が正しい場合、「this」はどのオブジェクトを指すのでしょうか？

[maisumakun]

「obj.method()」のようにメソッドを呼んだ場合の「obj」です。

Answer 3

classの中に記述されるものでありながら、class格納用のメモリ領域が確保された後に
その領域を指すという一見分かり辛いものです。